葡萄を作るにあたって大切なのは、夏の時期の日照時間と、積算温度である。気温に関しては、北島に一歩譲ってしまう感があるが、日照時間に関してはまったく引けを取らない。特に、クロムウェル郊外のバノックバーンやアレクサンドラ近郊などは将来的にも非常に期待がもたれる。

この地方のワインつくりの歴史は、１８６４年、ゴールドラッシュの真っ最中に始まる。フランス人のゴールドマイナー、J.D. Feraud　がこの地方でのブドウ栽培を最初に手がけた人物。彼はその後２０年間ワインを作りつづけ、シドニーでのワインコンテストでも高い評価を受け、数々の賞を獲得している。
彼のワイナリー "Feraud's Stone Winery"　は歴史的建物として大切に保存されており、また、彼のワインボトルはクライド博物館でその美しい輝きを、いまだに放っている。

セントラル オタゴ地方のワインが世界中に知られるようになったのは1995年、この年は大豊作、つまりビンテージにあたる。特に、Central Otago Pinot Noirは高い評価を得、その後も常にワイン品評会などで称賛を受けている。もちろん白ワインも高い評価を得ている。

またこの地方のぶどう園は、世界で最も南に位置しており、また、ニュージーランドでももっとも標高の高い地点（200〜350m）にあることで知られている。

現在9個所のぶどう園／ワイナリーが一般に開放されており、クィーンズタウンやクロムウェルからは毎日ワイナリーツアーが開催されている。